生活が変わる手作り。
結婚を機に南半球・ニュージーランドに移り住んで、数年、やっとこちらの生活にも慣れてきたようです。
わたしの住む街は、この国で一応最大の都市オークランドですが、日本に比べてのんびりとした、緑と鳥の多いきれいな街です。
私は日本に住んでいた時は、特に環境志向の強い方ではありませんでした。
というか、毎日の生活に忙しく、環境のために何かをしたという記憶はありません。
ただ、ゴミを出す時、洗濯をする時、漠然とこのままではいけないなぁという不安はありました。
だからといって何か行動を起こすわけでもなく、時間が出来たら考えようと先送りにした感じです。
そんないいかげんなわたしでしたが、この街に来てからいくつかの偶然が重なり、手作り石けんに出会いました。
それと同時に、わたしの生活は見違えるほどの折り目のついた、清潔なのもになったのです。
手作り石けんが、じだらくだった生活を人間らしく変えてくれました。
手作りのきっかけ。
わたしの恩人(?)純石けんとの出会いのきっかけは、 シャンプーやボディーソープが合わなくなったことです。
ニュージーランドに来てから、ボディーソープ、シャンプー、化粧水等のスキンケア製品が日本と比べると種類が少なく、肌に合うものがありませんでした。
アレルギーとは無縁だったわたしに、体の所々にガザガザした赤い湿疹できました。
そこで、ボディーソープやシャンプーって一体なんだろうといった疑問が浮かんできました。
そしてその時、インターネットで検索をした結果、シャンプーや合成洗剤などが合成界面活性剤を含んでいて、深刻な環境問題を引き起こしていることを初めて知ります。
自分の肌に合うもの探し
それから、自分に合う製品探しが始まりました。
ナチュラルショップやヘルスショップで良さそうなものを買ってみては使ってみて、という毎日が続きます。
英語で書かれている原材料をチェックするのはかなり大変な作業でした。
そんな苦労をしながらたくさんの製品を試しましたが、納得いくものは見つかりません。
そうしてやっと、パッケージにはナチュラル、植物性と書いてあるモノが、本当に自然なのもだけで出来ているわけではなくて、いろいろな添加物を含んでることに気付きました。
化粧品が自分で作れる!
そんな試行錯誤の日々を送ってた時、コミュニティースクールで手作り化粧品のクラスを発見しました。
そのクラスは週一回夜、アロマセラピストの先生により行われます。
早速申し込みを済ませました。
クラスの内容は期待以上のもので、手作り化粧水から、手作り石けん、ヘアケア用品、男性用化粧品までと幅広く、とても充実したものでした。
今まで買うものとばかり思っていた石けん、化粧水が自分で作れる!
しかも、もちろん無添加です。
ものすごい驚きでした。
手作りのものを使い始めてから、体の湿疹も一気にとはいきませんでしたが、快方に向かいました。
それと同時に、わたしは毎日毎日をていねいに生活しようと思うようになりました。
リンガリンガの意味と手作りの暮らし。
たかだか自分で作った手作り石けんや手作り化粧水を使うだけで、こんなに自分の生活が変わるとは思ってもみませんでした。
それから手作りの魅力にとりつかれ、手作りけん、手作り化粧品素材のお店を開くところまできてしまいました。
ちなみに、お店の名前「リンガリンガ」とは、ニュージーランドの先住民族であるマオリの言葉で、「手」という意味です。
自分の手を使って、ナチュラルな暮らしをして行こうというコンセプトで名付けました。
手作り石けんは、水に溶けると数時間程で水と炭酸ガスに分解されますが、石けんが川や海を汚さないかといえばそうではないと思います。
一番いいのはお風呂に入らないこと、石けんを使わないことかも。
しかし、わたしは風呂好き日本人!毎日体も髪も洗いたい。
そうすると、今あるものの中で最善のもの「純石けん」を使うことが、自分にできる小さな環境保護だと思います。
そんな想いで作られた、リンガリンガの手作り石けん、手作りコスメ素材が、みなさんの生活を少しでも楽しいものにするお手伝いができたらいいなと願ってます。
リンガリンガソープ 矢野あずさ(2001年)