矢野あずさの手作りへの想い(2001年)
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生活が変わる手作り。
結婚を機に南半球・ニュージーランドに移り住んで
数年、やっとこちらの生活にも慣れてきたようです。
わたしの住む街は、この国で一応最大の都市
オークランドですが、日本に比べてのんびりとした、
緑と鳥の多いきれいな街です。
私は日本に住んでいた時は、特に環境志向の
強い方ではありませんでした。
というか、毎日の生活に忙しく、環境のために何かを
したという記憶はありません。
ただ、ゴミを出す時、洗濯をする時、漠然とこのままでは
いけないなぁという不安はありました。
だからといって何か行動を起こすわけでもなく、
時間が出来たら考えようと先送りにした感じです。
そんないいかげんなわたしでしたが、この街に来てから
いくつかの偶然が重なり、手作り石けんに出会いました。
それと同時に、わたしの生活は見違えるほどの
折り目のついた、清潔なのもになったのです。
手作り石けんが、じだらくだったわたしの生活を、
人間らしい生活に変えてくれました。
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手作りのきっかけ。
わたしの恩人(?)純石けんとの出会いの
きっかけは、 シャンプーやボディーソープが
合わなくなったことです。
ニュージーランドに来てから、ボディーソープ、
シャンプー、化粧水等のスキンケア製品が
日本と比べると種類が少なく、肌に合うものが
ありませんでした。
アレルギーとは無縁だった私が、体の所々に
ガザガザした赤い湿疹できました。
そこで、ボディーソープやシャンプーって一体なんだろう
といった疑問が浮かんできました。
そしてその時、インターネットで検索をした結果、
シャンプーや合成洗剤などが合成界面活性剤を含んでいて、
深刻な環境問題を引き起こしていることを初めて知ります。
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それから、自分に合う製品探しが始まりました。
ナチュラルショップやヘルスショップで良さそうなものを
買ってみては使ってみて、という毎日が続きます。
英語で書かれている原材料をチェックするのは
かなり大変な作業でした。
そんな苦労をしながらたくさんの製品を試しましたが、
納得いくものは見つかりません。
そうしてやっと、パッケージにはナチュラル、植物性と
書いてあるモノが、本当に自然なのもだけで出来ている
わけではなくて、いろいろな添加物を含んでることに
気付きました。
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化粧品が自分で作れる!
そんな試行錯誤の日々を送ってた時、コミュニティー
スクールで手作り化粧品のクラスを発見しました。
そのクラスは週一回夜、アロマセラピストの先生
により行われます。
早速申し込みを済ませました。
クラスの内容は期待以上のもので、手作り化粧水
から、手作り石けん、ヘアケア用品、男性用
化粧品までと幅広く、とても充実したものでした。
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今まで買うものとばかり思っていた石けん、化粧水が
自分で作れる!
しかも、もちろん無添加です。
ものすごい驚きでした。
手作りのものを使い始めてから、体の湿疹も一気にとは
いきませんでしたが、快方に向かいました。
それと同時に、わたしは毎日、毎日をていねいに
生活しようと思うようになりました。
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リンガリンガと手作り。
たかだか自分で作った手作り石けんや手作り化粧水を
使うだけで、こんなに自分の生活が変わるとは
思ってもみませんでした。
それから手作りの魅力にとりつかれ、手作りけん、
手作り化粧品素材のお店を開くところまできてしまいました。
ちなみに、お店の名前「リンガリンガ」とは、ニュージーランドの
先住民族であるマオリの言葉で、「手」という意味です。
自分の手を使って、ナチュラルな暮らしをして行こうという
コンセプトで名付けました。
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手作り石けんは、水に溶けると数時間程で水と炭酸ガスに
分解されますが、石けんが川や海を汚さないかといえば
そうではないと思います。
一番いいのはお風呂に入らない事、石けんを使わないことかも。
しかし、わたしは風呂好き日本人!毎日体も髪も洗いたい。
そうすると、今あるものの中で最善のもの「純石けん」を
使うことが、自分にできる小さな環境保護だと思います。
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そんな想いで作られた、リンガリンガの手作り石けん、
手作りコスメ素材が、みなさんの毎日を少しでも
楽しいものにするお手伝いが出来たらいいなと願ってます。
リンガリンガソープ 矢野 あずさ (2001年)
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